MMA
インタビュー

【UFC】UFC3連勝中の“クイーン・オブ・バイオレンス”アリアニ・リプスキ「私にもシュートボクセの闘いのDNAが流れている」

2024/04/27 23:04
 2024年4月27日(日本時間28日・朝5時~)米国ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Nicolau vs. Perez』(U-NEXT配信)が開催される。 ▼女子フライ級 5分3Rアリアネ・リプスキ(ブラジル)17勝8敗(UFC6勝5敗)※UFC3連勝中カリーニ・シウバ(ブラジル)17勝4敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中  メインカードの女子フライ級では、同級13位のカリーニ・シウバ(ブラジル)に、元KSWフライ級世界王者でムエタイのブラジル全国王者でもあるアリアネ・リプスキ(ブラジル)が挑む、5分3Rが行われる。  ともにUFC3連勝中の対戦で、上位に挑むリプスキに聞いた。 メガジムのやり方は私には合わなかった ──リプスキ選手、今はヘナート・シウバコーチと一緒ですか。今回の練習環境を教えてください。 「コーチのシウバも……ほら、ここにいるわよ(※敷居向こうの真後ろに座って)いまはちょうどトレーニングセッションが終わったところ。ラスベガスのUFC PIでやって。今はチームのみんながここにいます」 ──今回のファイトキャンプはどこで? 「前回と同じマイアミにあるUFCジムでトレーニングしました。自分のチームの皆がそこを使いながら、ヘッドコーチのシウバがキャンプ中の私の全部の世話をすることはできないから、一緒にいてくれる柔術コーチのジャスミン・ハーシャや、トレーニングパートナーのダミエンと毎日いる」 ──UFC PIのみならず、UFCジムでもトレーニングできるわけですね。 「そう、マットもケージもあって、すごくいいワークアウトルームもあって。だからこの施設を使ってトレーニングできたことは私たちにとってとても良かった。もしPIみたいだったらもちろん最高だけどね。フロリダには沢山のUFCファイターがいるから、いつかできたらいいな」 ──KSWチャンピオン時代にはたしか“クイーン・オブ・バイオレンス”と呼ばれていましたね。 「そうなの。そのニックネームになったのは、たしかKOで3連勝していたのに当時はニックネームを持ってないなくて。ベルトも狙っていたらニックネームが必要になって。皆がつけてくれた。“クイーン・オブ・バイオレンス”と呼ばれたのは良かったけど、これからは“クイーン”になる。それが私の新しいニックネームよ」 ──2023年12月の前戦では、ケイシー・オニールを相手にトップの取り合いになりました。そこで腕十字を極めた。あの場面で腕十字にはリスクもあったと思いますが、思い切れたのは? 「そうね。自信はあった。いい機会があったの。本当はKOで初勝利を獲りにいく予定だったんだけど、彼女が私のパンチを受けて私をグラップルしようとしていて。相手が私の打撃の強さを感じると、組みに来ることも分かっていたから極めに入ることが出来た。これは十分なトレーニングの成果だと思う。運が良いとかそういう事ではないの。その時にそのポジションになれる隙を見つけて、アームバーを極める自信があった」 ──たしかに。リプスキ選手はUFC参戦から3年ほど白星と黒星を繰り返しましたが、2023年は3連勝。この数試合で覚醒したように見えます。そのきっかけは? 「きっかけのひとつはブラジルからアメリカに引っ越してきた事。グラップリングやポジションの練習が必要だったけど、トレーニングパートナーがいなかった。トレーニングパートナーがいれば、きちんと試合までに準備できると思ったから。だからアメリカに引っ越した。今までもメガジムや大きなチームで練習を経験をした事もあったけど、そのやり方は私には合わなかったの。だから私に合うやり方を見つけたんだ。自分の為に最適化された自分の為のチームを持つこと──最高のヘッドコーチに、最高のMMAコーチ、そんな最高のチームが皆、私のために準備をしてくれる。それに素晴らしい柔術のコーチやスパーリング相手や、私を上達させてくれる人たちを見つけたの。  自分が探していた、自分の為にカスタマイズされたトレーニングをすること。そういった自分に合う方法を見つけられた事が大きいと思う。大きいジムにいた時はたくさんコーチもいて色んな意見や指導をしてくれたけど、私はそれで混乱してしまって。今は集中しなければいけないヘッドコーチとコーチの教えを聞いて、『OK、それがゲームプランね!』って集中する。それが私にいい結果を与えてくれていると思う」 ──なるほど。リプスキ選手をよく知る優秀なスモールチームが米国であなたのためにコーチをする。そういう環境が作れたわけですね。さて、今回の対戦相手のカリーニ・シウバ選手は8つの(T)KOに加え、9つの一本勝ちを誇ります。グラップリング対策は? 「もちろん。彼女は本当に素晴らしいグラップラーだし、素晴らしいグラップリングスキルを持っていると思う。ただ、大きな違いは私はこれまで2019年にUFCでデビューしてからずっと、色んな相手と戦ってきたという事。彼女ももちろんUFCでいいパフォーマンスを見せてきているけど、自分はこの階級で最も経験があると思っているし、強くなり続けている。自分自身のMMAでの試合にも自信がある。打撃のみならずグラップリングもね。彼女の良さも分かっているけど、ストライキングでもグラップリングでも何が起きても自信があるよ」 ──今週末の試合はどうなるでしょうか。 「準備はできている。フィニッシュするつもり。KOでもサブミッションでも勝てるし、ゲームプランもある。素晴らしいパフォーマンスをすることに集中します。この試合に向けてトレーニングを積んできたし、トップに立つ準備が出来ていることを示すパフォーマンスを持ってる。だから今は結果は意識せずに、ただ集中してる。トレーニングの全てを出せる試合をすることにね。結果は素晴らしいパフォーマンスをすればついてくるよ」 ──米国には移りましたが、ともに来たあなたのパートナーであるヘナート・シウバトレーナーも元クリチーバの住人です。そのことは、いまもあなたのファイトスタイルに生きているのでは? 「その通りで、私のヘッドコーチのヘナトは、シュートボクセのフジマール(フェデリコ)の黒帯で、フジマールはMMAを始めた人のようなものでしょ。ヘナトはシュートボクセ出身だから、私もその闘いのDNAを持っている。私のアグレッシブな戦い方を見たら分かると思うけど(笑)。本当にチームからインスピレーションを得ているし、クリチ―バの選手達の事を誇りに思っている。彼らが築き上げたMMAのストーリーは素晴らしい。私のヘッドコーチは、クリス・サイボーグやショーグン、ヴァンダレイ・シウバと一緒に練習をしていたし、キングスMMAでハファエル・コルデイロの生徒でもあった。それらの知識を全て私に教えてくれていて、もちろん色々影響を受けて、私はそれを受け継いでいる。だからクリチーバのMMA選手達を、本当に誇りに思っています」 ──日本のファンも、あなたの試合からシュートボクセのスピリットが見られるのは楽しみだと思います。 「ぜひ試合を見てください。いつも応援ありがとう。MMAをいつも応援してくれて感謝してる。いつか日本に行ければと思っているよ。待ちきれないよ! すごく素敵なところだよね。いつか行けるといいな。行ける事を願っているし、日本で戦いたい。皆さんがMMAを愛していることを知っているし、そんな皆さんに会いたいと思っています!」
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