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4月21日(日) 横浜アリーナで開催される「RIZIN.15」の追加対戦カードが3日、発表された。
朝倉海と対戦予定だった佐々木憂流迦が内臓疾患によりドクターストップ。代わってジャスティン・スコッギンスが朝倉と対戦する。
元UFCファイターのスコッギンスは3歳から空手を始め、12歳でIKF北米クラシックで優勝を果たしている空手出身のストライカー。独自の間合い・ステップから上中下段の蹴りを自在にこなし、サイドキックや後ろ廻し蹴りなど多彩な蹴りをMMAに融合させている。
Justin Scoggins with the LEFT! #UFCBoise pic.twitter.com/VdhNfb29kQ
— UFC (@ufc) July 15, 2018
佐々木憂流迦という日本屈指のテクニシャンを相手に、進境著しい朝倉海がいかに戦うか注目されていた横浜大会だが、今回の対戦変更で、佐々木同様にUFCで結果を残しているスコッギンスとの打撃を軸としたファイター同士のMMAも、興味深い一戦となった。
スコッギンスは2018年の大晦日に元谷友貴のティピーチョーク(洗濯挟み絞め)に一本負けを喫するなど、UFC時代含めKO・TKOが多い代わりに絞め技による黒星も少なくないストライカーだ。近年、組み技に大きな進化を見せている朝倉がどんな試合を見せるのかも注目だ。
◆ジャスティン・スコッギンス
「俺はトップレベルの選手たちとしのぎを削るためにRIZINと契約した。準備期間は短いがこの機会をモノにしたい。トップレベルで試合するときの最大の課題は準備期間だ。俺は日頃から練習を欠かさず食事にも気をつけているから、いつどんなオファーが来ても準備ができている。俺はどんなチャレンジにも怯まない。今回のような荒削りのストライカーは尚更だ。みんなをガッカリさせない試合をする事を約束する。横浜で会おう」
◆佐々木憂流迦 ※欠場
「この度は、RIZIN関係者様、スタッフの皆様、そしてこの試合を楽しみにしていたファンの皆様、欠場という形になってしまい大変申し訳ありませんでした。そして、今回試合を快諾して頂いた朝倉海選手、改めて申し訳ありませんでした。僕自身この試合をとても楽しみにしていたので、治ったら是非また戦ってくれると嬉しいです。初めての症状で戸惑いもありますが、少しでも早く回復出来るよう尽力致します。また、リングに戻って闘うことを楽しみにして頂けたら幸いです」
渡辺華奈は真価が問われる危険な相手と対戦
また、2018年の大晦日「RIZIN 平成最後のやれんのか!」で杉山しずかとの再戦を1R11秒KOで勝利し、3月9日の「DEEP JEWELS 23」でも1R TKO勝利を収めた渡辺華奈が連続出場。同じく大晦日の「RIZIN.14」で真珠・野沢オークレアにKO勝ちしたヤスティナ・ハバと対戦する。
全日本ジュニア柔道体重別選手権優勝の実績を持つ渡辺は2017年のデビューから負けなしの6勝1分け。柔道仕込みの強い体幹から繰り出す投げ技とトップからの関節技のプレッシャー&パウンドで白星を積み上げてきた。
対するヤスティナ・ハバは、アマチュアMMA5勝無敗でRIZINに参戦。現役軍人で軍隊在籍中にキックボクシング王者に輝くなど「常在戦場」のファイターだという。2018年の大晦日には、事前の“ストライカー”との触れ込みとは裏腹に引き込みからの腕十字、足関節などで真珠を圧倒。スクランブルからマウントを奪取し、鋭いヒジを顔面に落とした姿が印象的だった。
ヤスティナいわく「色帯ではない」とのことだが、チェコでの柔術大会で優勝経験も持つなど、寝技にも長けており、バックからのリアネイキドチョークでのフィニッシュ時には、寝技を得意とする真珠の腕を両足で縛ってから極めるなど、グラップラーの趣を感じさせるファイターといえる。
プロMMA2戦目ながら冷静沈着なポーランドの新鋭を相手に、リーチのある手足から繰り出すスタンド打撃でも成長を見せている渡辺が、地力の差を見せつけるか。グラウンドにおいてもそれぞれの柔術と柔道の寝技が、何でもありのMMAのなかでいかに融合を果たすか。両者の真価がうかがえる興味深い試合となりそうだ。
◆渡辺華奈
「昨年末のRIZINでは勝利を収めましたが、もっとお客さんに私の強いところをお見せしたかったので、今回またRIZINのリングに上がれることを嬉しく思います。ヤスティナ選手は昨年末の真珠選手との試合を見て、プロデビュー戦とは思えない心身共に非常に強い選手ではありますが、今回ももちろんKO・一本で圧勝します! そして、今年はもっと強い選手と試合したいです!!」
◆ヤスティナ・ハバ
「再びRIZINのような素晴らしいイベントで戦える事を大変嬉しく思います。昨年末の初来日で素晴らしい経験をさせてもらい、また私のスキルを披露する事を心待ちにしています。渡辺選手は非常に強くて良い選手ですが、私は彼女に勝利する事ができると信じています」
再起戦の真珠はメキシコのフィジカルエリートと対戦
そのヤスティナを相手に初黒星を喫した真珠・野沢オークレアは4カ月ぶりの再起戦。メキシコのサライ・オロスコと対戦する。
MMA3勝2敗のオロスコは、メキシコ代表として水泳、体操で国際大会に出場した経験を持つフィジカルエリート。19歳で柔術とMMAに興味を持ち始めると、21歳でメキシコのローカルプロモーションCage Fight Nights MMA Leagueでプロデビュー。大学時代にはレスリングやボクシングも経験しているといい、試合動画を見る限り、好戦的にも懐の深いボクシングも可能なスタンド打撃から、強い腰で組み際を制しバックを奪う動きを得意としている。スポーツトレーニングで修士号取得を目指すなど格闘IQも高いようで、クレバーな戦い方で接戦を制している。
17年7月にRIZINでプロデビューした真珠は、右肘じん帯断裂から1年ぶりの復帰戦となった昨年大晦日の試合で一本負けを喫しており、得意の組み技でいかにダメージを負わずドミネートできるか。あるいは打撃の成長を見せるのか。総合力が問われる一戦だ。
◆真珠・野沢オークレア
「私の対戦相手はストライカーで打ち合いを恐れないタフな選手。この試合は間違いなく激しい打ち合いになり、意地と意地がぶつかり合う楽しい試合になると思う。私は世界中の何よりもこのスポーツが好きで、前回の負けを取り返すためにも皆さんに最高の試合と勝利を届けたいと思います」
◆サライ・オロスコ
「こんなに素晴らしい大会に出させていただく事が決まり、とても興奮しています。RIZINに参戦する初のメキシコ人選手として誇りを持った戦いをしたいです。我々に皆勇敢な戦士の血が流れています。絶対に下がらないハートの強さと絶対に折れない精神力を日本の皆さんに見せたいです」
地元で再起を果たしたアルブレックソンがシウバからの刺客と激突
さらに93kg契約試合では、2017年年末のRIZINで実力者イリー・プロハースカにTKO負け後、地元「Superior Challenge」で連勝をマークしているカール・アルブレックソン(8勝2敗)が、ブラジルのクリスティアーノ・フロリッチと対戦する。
Superior Challenge 17: Karl Albrektsson (@KarlAlbrektsson) gets a late second round stoppage to end Dmitry Tebekin's four fight winning streak. Karl's post fight interview stated he wants to return to @rizin_PR @rizin_STAFF @MmaShingo pic.twitter.com/gM6hIkajmV
— Focus Fights (@FocusFights) May 19, 2018
MMA10勝4敗のフロリッチは、元シュートボセクのダニエル・アカーシオらが所属するEVOLUCAO THAIの選手。矢地祐介を下した弟分のルイス・グスタボ、元UFCのディエゴ・シウバ、WSOFで王座戦を戦ったジョゼナウド・シウバらが活躍するなかRIZINライトヘビー級でどんな存在感を見せるか。
メジャーに選手を送り込む「LFA」の39回大会ではヘイワード・チャールズを相手に判定負けを喫したものの、2016年から6勝1敗と上り調子。オーソドックスからアグレッシブな打撃が持ち味で、特に右の跳びヒザは一撃必殺の破壊力を持つ。打投極で高いレベルにあるアルブレックソンを相手にワイルドなスタイルをどこまで発揮できるか、注目だ。
◆カール・アルブレックソン
「再び日本で自分の持てる技術と精神力を試せる機会と強い相手を与えてくれたRIZINに感謝したい。世界一の格闘技ファン達の期待に応えて常にチャレンジに立ち向かう姿を見せたい気持ちであふれ ている。自分を形成する全ての細胞は戦闘する為にあり、ヴァイキングの末裔としていつでもヴァルハラ(※)にて偉大なる先祖達に会いに行く準備ができている」 ※北欧神話における主神オーディンの宮殿。古ノルド語でヴァルホル(Valholl、戦死者の館)
◆クリスティアーノ・フロリッチ
「俺の名はクリスチアーノ、遂にRIZIN参戦が正式決定してとても興奮している。PRIDEを見て育ち、いつも家族に『いつか俺も日本で戦う』と話していた事を覚えている。今以上にモチベーションが高かった事は無い。それをリングの上で圧倒的なアグレッシブネスで証明したい。激闘以外期待しない方が良い」
【新たに発表されたカード】
▼RIZIN MMAルール(61.0kg)5分3R ヒジあり
朝倉 海(トライフォース赤坂)
ジャスティン・スコッギンス(米国/REVOLUTION MIXED MARTIAL ARTS)
▼RIZIN女子MMAルール(57.0kg)5分3R ヒジあり
真珠・野沢オークレア(米国/EL NINO TRAINING CENTER)
サライ・オロスコ[Saray Orozco](メキシコ/LEGION MMA)
▼RIZIN女子MMAルール(57.0kg)5分3R ヒジあり
渡辺華奈(FIGHTER' FLOW)
ヤスティナ・ハバ(ポーランド/Spartakus Rzeszow)
▼RIZIN MMAルール(93.0kg)5分3R ヒジあり
カール・アルブレックソン(スウェーデン/PANCRASE GYM SWEDEN)
クリスティアーノ・フロリッチ[Christiano Frohlich](ブラジル/EVOLUCAO THAI)
【既報カード】
▼60kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ヒジあり
堀口恭司(ATT)
ベン・ウィン[Ben Nguen](米国)
▼RIZIN ライトヘビー級タイトルマッチ 93kg契約 5分3R ヒジあり
キング・モー(米国)
イリー・プロハースカ(チェコ)
▼68kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R
朝倉未来(トライフォース赤坂)
ルイス・グスタボ(ブラジル)
▼71kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R
北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)
ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)
▼58kg RIZIN MMAルール 5分3R ヒジあり
伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)
マネル・ケイプ(アンゴラ/AKA Thailand)
▼71.0kg 5分3R ヒジあり
ダミアン・ブラウン(豪州/THE GARAGE/TEAM COMTON)
武田光司(BRAVE)