2024年5月26日(日)愛知県武道館にて『2024北斗旗全日本空道体力別選手権大会』および『2024全日本空道シニア選抜選手権大会』が開催される。
空道(くうどう)とは、極真空手全日本選手権優勝、同世界選手権ベスト4、柔道三段などの経歴をもつ大道塾初代塾長・東孝が創始した徒手総合武道。道着とフェイスガードを着用して競技を行うことにより、いわゆるMMAでみられる攻防に加え、道着を掴んでの肘打ち・頭突き、帯を掴んでの相撲的な展開、道着を掴んでの柔道的な投げ、襟を使っての絞め技など多彩な技術が展開される。
武道としての「社会性」、ルール整備による競技としての「安全性」を兼ね備え、観る側のわかりやすさ(大衆性)をも追求した21世紀生まれの「武道スポーツ」である。
『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』は身長+体重の体力指数で各階級に分かれて行われる全日本大会、『全日本空道シニア選抜選手権大会』は全国より選抜された35歳以上の全日本大会。
空道における階級別大会は、身長(cm)と体重(kg)の数値の和(体力指数)によってクラス分けを行う体力別選手権として実施されるが、昨年は世界選手権開催に伴い、その全日本選手権がなかった。従って、今回の全日本空道体力別選手権は、2022年以来2年ぶりの開催となる。
そんな今大会、最大の注目は世界選手権決勝で日本人対決を争った者同士が再び決勝でリターンマッチを行う可能性が濃厚な男子-230 クラスである。
【写真】優勝とトロフィーを手にする目黒雄太 同階級で2015・2016・2017・2018・2019・2021・2022年と全日本を7連覇した目黒雄太のV8なるかが注目だが、2020年はコロナ問題で、2023年は世界選手権開催のために全日本選手権がなかったことを考えれば、今回優勝した場合「全日本体力別10年間無敗」の大記録達成となる。
しかしながら、今回こそはその記録が途切れるときなのではないか? と予想する関係者も多い。というのも、2023世界選手権で目黒雄太と決勝を争った佐々木龍希が、その半年後の2023年秋、全日本無差別選手権では決勝に進出するほどの成長ぶりをみせているからだ。
幼少期から空道の道に入り、高校時代はボクシングにおいてインターハイ出場チームのキャプテンを務め、高校卒業と同時に大道塾総本部の内弟子となった佐々木は、18歳で迎えた目黒との初対戦(2022 アジア選手権)時には明確だった力の差を、19歳での目黒との2戦目(世界選手権決勝)時にはほぼ埋めていた。世界選手権から1年を経て今回、両者の決勝が実現したら、19歳から20歳になった佐々木の気力・体力・技術の総積が、30歳から31歳になった目黒の経験値を凌駕する可能性は大いにあろう。
その他の階級の注目選手は、-240クラスではディフェンディングチャンピオン(2022年全日本-240クラス優勝)の伊東宗志と、2021年全日本-240クラス優勝者で4月7日にはプロ修斗で勝利を収めたばかりの谷井翔太。
-250クラスでは、2023年世界選手権-250クラス4位、2022年アジア選抜-250クラス優勝の寺阪翼と、MA日本キックボクシング連盟ウェルター級王者の小川悠太。
-260クラスでは、2023年世界選手権-260クラス4位の麦谷亮介。
+260クラスでは、極真空手の派閥のひとつの全日本選手権優勝歴を持ち、米国『カラテコンバット』でも活躍している宮原穣。
女子では、2023年世界選手権-220クラスにおいて史上初の日本人女子世界王者となった小野寺玲奈と、日本女子空道史上最高の技巧派と称される大倉萌らが出場する。