2023年2月17日(金)タイ・ルンピニースタジアムにて『ONE Friday Fights 5』が開催され、日本から修斗初代女子アトム級王者の澤田千優(AACC)が出場。見事、一本勝ちでONEデビューを果たした。
澤田は、埼玉栄高から青山学院大でレスリングに取り組み、2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。
兄の澤田龍人を追って、2021年5月の修斗でプロMMAデビュー。3勝1分で11月に初代女子アトム級王者に輝いた。その3カ月後の2月17日に、MMA5戦目でONEデビューも果たす。
対するサナーズ・ファイアズマネシュ(イラン)は、プロMMA1勝。ムエタイ経験も持ち、2015年から女子レスリングが解禁されるなど、これから女子格闘技が発展していくイランで2018年にMMAでプロデビューしている
「トップを海外を目指していくことがMMA選手としてやるべきこと」という澤田は、ONEデビュー戦をいかに戦うか。 ルンピニースタジアムでのリングMMAとなる。
▼ONEアトム級 5分3R〇澤田千優(AACC)[2R 0分53秒 アメリカーナ]×サナーズ・ファイアズマネシュ(イラン)
1R、左右を振るファイアズマネシュにダブルレッグテイクダウンは澤田。ファイアズマネシュは下から腕十字も、ヒジを曲げている澤田は左手でパウンド! さらにパスガードでサイドを奪い、腕十字を狙いながらヒザ。さらに腕十字も、またいで外したファイアズマネシュ。
澤田は上を取り直しマウントから脇を開けさせて腕十字も、ここもまたいでシザーズで防ぐファイアズマネシュ。サイドに亀になるファイアズマネシュ。
澤田はサイドバックから右手首をコントロールして左パウンド。さらにバックマウントから両足を伸ばして、正対してきたファイアズマネシュにみたび腕十字へ! ここも足を頭にかけてファイアズマネシュは防ぐ。
2R、ファイアズマネシュの右をかわして、サウスポー構えから早々にダブルレッグテイクダウンは澤田。マット中央ですぐにパスガードしマウント。右腕を腕十字狙いから、今度は左腕をアメリカーナに切り替え、タップを奪った。
ONE女子アトム級には、王者アンジェラ・リーを筆頭に、1位のスタンプ・フェアテックス、2位のハム・ソヒ(3.25 平田樹と対戦)、3位のデニス・ザンボアンガ、4位のアリヨナ・ラソヒナ、5位のティファニー・テオと、スター選手が揃っている。今回は経験の浅い選手とのONEデビュー戦だったが、一本勝ちした澤田は、これから上位を目指す。
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▼ONEフライ級 5分3R〇フリッツ・ビアグタン(フィリピン)[3R 4分36秒 KO]×ヌルムハンマド・アダムホノフ(ウズベキスタン)
ルンピニースタジアムでのリングMMA。
4勝1敗のビアグタンは、2019年4月の『RIZIN.15』でマニー・パッキャオ推薦のふれこみで那須川天心とキックルールで対戦。3Rまで持ち込むも、最終回に左を浴びて2度のダウンを喫し、TKO負けを喫している。対するウズベキスタンのアダムホノフはMMA1敗。
1R、ともにオーソドックス構え。大きな右から近づき首相撲からヒザを突くビアグタン。アダムホノフは両脇を差すが、四つに持ち込み体を入れかえるビアグタン。ローブローを受け中断後、再開。
先に詰めるビアグタンは左で差してコーナーに押し込み。アダムホノフの押戻しに右のヒジを振る。左ボディ打ちで飛び込み、右ミドルにも繋ぐビアグタン。アダムホノフはダブルレッグも差し上げるビアグタンは右フック、さらに左ボディ! 「効いてるだろ?」と指差すが、アダムホノフの左フックがかすめ、バランスを崩す。
2R、ワンツーで先に飛び込むアダムホノフ。しかし左で差すビアグタンは小外がけも引き出せず。ビアグタンの右ローをかわしたアダムホノフは右ストレート。かわすビアグタンは右ローを返してワンツースリー。それをさばくアダムホノフも右ロー、その入りにビアグタンは左縦ヒジのカウンターを狙う。
アダムホノフの前手の左フックをかわすビアグタン。左ミドルを返すが単発。右を効かせてアダムホノフを後退させると、一気にラッシュ。ワンツーで飛び込むとさらに左ボディ! 崩れたアダムホノフは辛うじて足を掴むとゴングに救われる。
3R、中央を取るのはアダムホノフ。互いに右を狙うが慎重。両者レフェリーから「アグレッシブファイ」をうながされる。ビアグタンはバックフィストも流しの最終ラウンドか。打っては離れるビアグタンにアダムホノフも前に出られない。
ビアグタンは詰めて左ボディも単発のため、レフェリーがストップし、両者にイエローカード。意を決したか。ビアグタンはコーナーに詰めると左フックをアゴに打ち込み、返しの右フックでアダムホノフをなぎ倒し、試合を決めた。
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▼ONEストロー級 5分3R〇アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)[1R 3分39秒 TKO]×ゼバ・バーノ(インド)
サビチェバは2018年12月に日本で開催された『第5回世界空道選手権大会』に出場し、女子220+クラスで準優勝を果たしている。 1R、ともにオーソドックス構え。空道出身のサビチェバはワンツーから右の蹴りに繋ぐ。バーノも右ミドルを返す。右の蹴りをロー、ハイと上下に蹴り分けるサビチェバ。ワンツーから右ハイはブロック上も、前蹴りをヒット。
近づいてボディロックからテイクダウンも。すぐにマウントを奪い、ヒジ、パウンド。背中を見せるバーノに足はかけず、ニアマウントのままパウンド、さらに亀になったバーノに中腰からパウンド連打し、レフェリーが間に入った。