MMA
インタビュー

【ONE】澤田千優、ONE3連勝なるか「一喜一憂せず、期待に応えてランキングに入っていければいい」=5月4日(土)『ONE Fight Night 22』

2024/05/03 17:05
 2024年5月4日(土)、タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムにて開催される『ONE Fight Night 22』(U-NEXT配信)の「女子アトム級MMAマッチ」でノエル・グランジャン(タイ/フランス)と対戦する、澤田千優(team AKATSUKI)が前日計量およびハイドレーションテストをクリア。計量前の囲み取材では、「最初から最後まで自分が攻めたい」と語った。  前戦で上位ランカーのラズワンを破り、「デビュー戦で5位と戦わせてもらい、勝ってこのONEの階級で戦う自信につながりましたが奢らない。やってきたことが通用すると感じました」と手応えを得たが、キャッチウェイト戦だったためか、ランキング入りは果たせず。 「ONEのランキング自体、すごい変動があったりとか、すぐにランキング入りしたり、そうでない人もいっぱいいて、グレーな部分があるのは分かっていたので“何でだよ”という気持ちにはなっていないですが、ちゃんとオファーをいただいて、団体の期待は感じているので、一喜一憂せず、期待に応えてランキングに入っていければいいかなと思います」と落ち着いて語った。  対戦相手のグランジャンについては、「身長・身体はそれほど大きくないが、しっかりした足腰を持っている。柔道ベースで投げ技が得意な印象です。オーソでスイッチしないので、私にとってやりやすり相手ですが、パンチが強くて接近戦で腰を入れて振りかぶってくるので、私が前に突っ込みすぎちゃうスタイルなので、そこは気を付けたいです」と語る。  互いにとって課題で、レスリング組みと柔道組みの前に、立ち合いでキーとなる今回の試合の打撃部分については、「前回の試合から帰ってすぐに次戦が決まったので、すごいレベルアップしたわけではありませんが、一段階上がった、得意なレスリングを使うための打撃は意識して練習できました。ちゃんと見えて殴ることが出来るようになりました。向こうにとっても、1発1発があることは分かっていることだと思います。それをしっかり当ててやろうという気持ちで挑んでくると思うので、そこに私が同じ土俵に上がってしまうと、押し負けてしまったり、1発食らう可能性もあるので、あくまで自分のペースで戦えるよう、当てて下がる、自分のレスリングを活かせるようなMMAの打撃を意識しています」と、MMA打撃を磨いてきたという。  良太郎代表との練習で「いかにレスリングを活かせるか。そのスタイルをアジャストしてくれていますが、『まだ打撃でブッ倒すパンチじゃないから、行くな』とは言われてます(笑)。ちゃんとテイクダウンを混ぜてやりなさい」と言われています」という澤田。「最初から最後まで自分が攻め、最初から最後まで諦めない姿勢だったりとか、アグレッシブな姿を見たい」と抱負を語った。  3連勝すれば、ランキング入りも見えて来る。 「このアトム級ではONEが世界で一番レベルが高い団体だと思って挑んでいます。その中で一つひとつ勝ち星を重ねて、ランキング入りして、最終的にベルトを取りたいです。勝って出来ることを増やして、いまなら王者はスタンプ選手。そこに戦えるレベルまで持ってきて挑みたいと思っています」──澤田はONE3連勝なるか。 ▼ONEアトム級(※52.2kg)5分3R澤田千優(team AKATSUKI)7勝1分 113.25 lbs, 1.0000ノエル・グランジャン(タイ/フランス)5勝1敗 114.25 lbs, 1.0120  澤田は、MMA7勝1分の無敗。兄・澤田龍人と同じレスリングベースで、2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。2021年5月に修斗でプロMMAデビュー。リーグ戦で優勝するなど3勝1分で初代女子アトム級王者に輝いた。  2023年2月にタイで行われた『ONE Friday Fights 5』では、イランのサナーズ・ファイアズマネシュを相手に2R アメリカーナで一本勝ちすると、チーム・オーヤマでの北米修行も経て、5月に米国フロリダ州マイアミ開催の『Combat Global』でアナ・パラシオス(メキシコ)にテイクダウン&パウンドで判定勝ち。  12月の『プロ修斗公式戦 COLORS Vol.2』では中村未来に1R 腕十字で一本勝ちし、修斗世界女子アトム級王座の初防衛に成功している。  前戦は2024年3月の『ONE Fight Night 20』。現女子アトム級4位のジヒン・ラズワンを相手に120ポンド キャッチウェイト(※両者体重超過もラズワンの体重に合わせた)で戦い、判定3-0で勝利。初回のラズワンのバック、三角絞めのピンチを冷静に防いで、打撃で向き合いテイクダウン。2、3Rをテイクダウンからパウンドしコントロールした澤田が、日本人として初めてラズワンに勝利していた。これでアトム級のランキング入りかと思われたが、キャッチウェイト戦だったためか、敗れたラズワンは4位のまま。澤田はランキング外となっている。26歳。  対するグランジャンもノーランカーの強豪。MMA5勝1敗で、唯一の黒星はDouble GFC女子ストロー級王者のキム・ソユル(8勝1敗)戦で、キムの三角絞めに一本負けを喫している。27歳。  父がオランダ人で柔道やムエタイ、MMAもこなす格闘家で、母はタイ人というグランジャンは、9歳でフランスに移住し、20年近く柔道に専念。フランス柔道選手権やタイ柔道選手権で優勝すると、23歳でMMAに取り組み、タイに拠点を移し、タイガームエタイで打撃技術を磨いてきた。澤田も試合をした3月の『ONE Fight Night 20』でヴィクトリア・ソウザと対戦し、右カーフを効かされながらも右ストレートと首投げテイクダウンで判定勝ち。キム戦の敗北から再起を遂げている。  150cmの澤田に対し、グランジャンも153cmと体格はほぼ同じ。オーソドックス構えで右の強打はカウンターも得意とし、組んでも差して大内刈、大外刈、首投げ・払い腰、小外がけと足技が利く。“リル・モンキー”の異名のごとく強いテイクダウン、起き上がりにギロチンチョークなどパワフルな攻撃を武器としている。  一方で、グランジャンはキムの打撃に真っ直ぐ下がる場面も見せており、互いにとって課題の打撃がペースを握るキーとなり、ともに得意とする組みが、柔道組みとレスリングのテイクダウンのなかでどちらがトップを奪うか、注目の1戦となる。 ◆女子アトム級MMA王者:スタンプ・フェアテックス(タイ)1位 ハム・ソヒ(韓国)2位 デニス・ザンボアンガ(フィリピン)3位 アリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)4位 ティファニー・テオ(シンガポール)5位 ジヒン・ラズワン(マレーシア) (日本)前戦で三浦彩佳(アトム級&ストロー級)が平田樹に判定勝ち、澤田千優がラズワンに判定勝ち。なお。当初、発表された4月6日(土)『ONE Fight Night 21』での三浦vs.ラズワンはキャンセルとなっている。  スタンプは6月8日開催の『ONE167』でデニス・サンボアンガを挑戦者に迎えて防衛戦を行う。澤田の勝敗予想は、「打撃で上回るスタンプが優勢」だった。 澤田千優「まずはランキング入りしたい」 ──いつオファーがありましたか? また、オファーをもらった時の気持ちは? 「前回の試合後すぐにオファーいただきました。嬉しかったですし、少し安心しました。それと、怪我なく帰って来てすぐに練習再開しようと思っていたので、次の試合が決まってやるべきことが明確になって良かったです」 ──初めてONE本戦で戦った前回の試合の感想は? 「ランカーであるジヒン選手と戦えて本当にいい経験になりました。ゴングが鳴ってからはセコンドの声、相手の表情がしっかり見えていたので、集中できていたと思います。試合に向けて練習してくれたみんな、そしてセコンドの2人にとても感謝しています」 ──前回の勝利が自分にもたらしたものは? 「大きな変化や何か状況が変わる事なかったです。ただ、必死でやってきて試合で勝ててホッとしています。まずはランキング入りしたいです!」 ──今回の対戦相手の印象は? 「ONEでの過去3試合をチェックしました。柔道ベースの動きをしていて、タイミング良く投げや効かせられる重たいパンチを持っている選手だという印象です」 ──前回の試合以降、短いスパンでの試合ですが、どのように調整している? 「このスパンでの試合は初めてなのですが、メンタルの大きな変化はないです。ただ、試合前に大きな怪我だけはしないように集中しています」 ──自分のアドバンテージは? 「私の方が彼女より動きが早く体力もあります。ポジションキープも負けないです」 ──今回の試合はどんな自分を見せたい? 「3ラウンドを通して常に攻め続け、戦い抜いて勝つ姿を見せたいです。しっかりフィニッシュすること、それと打撃の成長も見せたいです」 ──ファンへのメッセージを。 「いつも応援してくださる皆さんありがとうございます。タイトルマッチに手が届くまで一戦一戦経験を積んでいきたいと思っています。しっかりと自分がやるべき事をやって、注目されるような良い試合をします。応援よろしくお願いします!」
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